作家・イラストレーター榎宮祐の小説「ノーゲーム・ノーライフ」(MF文庫 KADOKAWA メディアファクトリー刊)が映画化され、映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』が、2017年7月15日(土)に公開された。映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』では、ディス・ボードが創造される以前の荒廃した地獄のような世界を生き抜いた者たちの物語が語られた。

 

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』の1週目の劇場特典として配布されたのが、漫画・小説「ノーゲーム・ノーライフ」(劇場特典)だ。前半の12ページは漫画で描かれており物語の導入部分が描かれる。後半13ページから36ページは小説形式で書かれており、物語の中盤から終盤の解決編が書かれるという構成になっている。

 

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』、漫画・小説「ノーゲーム・ノーライフ」(劇場特典)あらすじ

ゲーム廃人「 」(くうはく)は、空(そら)(18才・男)と白(しろ)(11才・女)のコンビだ。空と白の友人、ステフは、白とポーカーをしていた。普段の白のゲームスタイルは清廉だが、その日の白は少し様子が違った、白がまるで空のような手口を使っていたからだ。

ゲームを終えると、空と白の2人は仕事をステフに押し付け、問題解決に乗り出す。その日、空と白の2人が抱えていた問題とは、2人が起きてみると、空(そら)と白(しろ)の体が入れ替わっていたことだ。とはいえ、当初、空は、持ち前のゲーム脳で、白と体が入れ変わったことなど問題がないと問題を楽観視する姿勢を示していたが、白(しろ)の何気ない「おてあらい」の一言で事の重大さに気づく。今の自分たちは、互いに入れ替わっているのだということ、そして、それが意味するのは、膀胱の限界までに元の体に戻らなければ詰むということ……。そんな危機的状況へのタイムリミットは刻一刻と迫っていた。

空は、事件の状況を分析する。犯人は記憶を消去していること、2人の体を入れ替えているということから、手段は魔法であり、盟約に従ったゲームによる犯行であろうことが推察された。また、犯行現場は、自分たちの聖域(へや)であることを導き出した。そして絞り込めた犯人像は……、魔法が使え、2人に対し何らかの動機があるもの、つまり……、犯人像は、知り合い全員だった。白の体になった空は「よーは、全員ねじ伏せれば誰かは犯人だ」と犯人の捜索を決意する。犯人を特定し元に戻るのが先か、膀胱限界(タイムリミット)が来るのが先かのゲームがスタートする。

男女の入れ替わりの物語の見どころといえば……

男が女入れ替わる物語の見どころの一つに、普段の性別と異なる自分の姿になることだ。白の姿になった空は立ち上がろうとして自分の長い髪を踏んで転ぶなど、慣れない姿に苦労している様子が描かれる。

最近の男女の入れ替わり話といえば、新海誠監督の映画『君の名は。』だ。興行収入も250億円を突破するなど大ヒットを記録している。では、本作と映画『君の名は』の違いは何か。映画『君の名は。』では入れ替わったもの同士の交流にスポットが当てられたのに対し、本作では、体の入れ替わりの謎にスポットが当てられていることだ。つまり、本作の一番の見どころは、体の入れ替わりに寄与した犯人の追及と、体の入れ替わりの謎に迫っていく所にある。

男女の入れ替わりの謎とは……!?

空の体をした白はゲームを駆使しつつ犯人に迫っていく。そして最後には犯人へとたどり着くのだが……。犯人は……「なるほど、そういうことか!」と得心がいく。だが、そこに至るまでのプロセスは、何度も読み返したくなるほど緻密に作りこまれていて面白い! 全体で36頁ほどのショートストーリだが、「ノーゲーム・ノーライフ」の面白さがギュッと詰まっている。

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』では、「ノーゲーム・ノーライフ」の世界の感動的なストーリーにスポットが当てられていたが、本作は、ゲームの内容に重点がおかれており、「ノーゲーム・ノーライフ」のゲームの世界が堪能できる作品だ。

公式サイトなど

映画『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』公式サイト
http://ngnl.jp/
テレビアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」公式サイト
http://ngnl.jp/tv/
映画『君の名は。』公式サイト
http://www.kiminona.com/

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