新海誠監督の最新劇場版アニメーション作品、映画『すずめの戸締まり』が2022年11月11日(金)に公開されたことを記念し、新海誠監督のティーチイン付き舞台挨拶が、2022年11月12日(土)、2022年11月13日(日)の2日間開催。

2022年11月12日(土)は、MOVIXさいたま(11:40)、TOHOシネマズ 池袋(13:40)、TOHOシネマズ 日比谷(15:30)、TOHOシネマズ 新宿(17:30)。2022年11月13日(日)は、横浜ブルク13(10:40)、TOHOシネマズ 川崎(12:50)、109シネマズ二子玉川(15:00)にて実施。

ティーチイン付き舞台挨拶とは、映画の解説を行ったり、観客の質問に答える形式で行われる舞台挨拶のこと。本舞台挨拶は、各回の上映後に約30分間行われ、前半は新海誠監督が映画の解説を行い、後半は観客の質問に答える形式で行われた。司会は、弭間友子宣伝プロデューサー。

なお、本イベントの録画・録音は不可。写真撮影は許可となっている。内容についてはネタバレ等に配慮しつつ発信することが許可されていた。

※本記事は記憶やメモなどをもとに、要約・補筆したものであり、発言内容を正確に抜粋したものではありません。
※ネタバレを含んでいる可能性があります。ご注意ください。

 

ティーチイン付き舞台挨拶 TOHOシネマズ 日比谷(15:30)まとめ

映画『すずめの戸締まり』について
映画『すずめの戸締まり』(2022)は、映画『君の名は。』(2016年)から6年を経て制作した大地震をメタファーとする作品です。

 

キャストについて
舞台挨拶で観客に好きなキャラクターを問いかけると芹澤朋也(CV:神木隆之介)を推す声が多い。新海誠監督の娘、新津ちせ(12)には、『お父さんの性癖の男を描いたんだ』と言われた。

宗像草太(CV:松村北斗)の祖父、宗像羊郎(むなかたひつじろう)は、松本白鸚(80)が務めた。松本白鸚はアニメのことは良く分からないという話だったが、お孫さん(松たか子の娘さん)に新海誠監督の作品に出た方が良いと言って貰ったことで出演して頂けることになった。

芹澤朋也(CV:神木隆之介)は、いわゆる三幕構成で制作されている作品のミッドポイントで登場するキャラクターであり、一番気持ちをのせやすいキャラクターと言われている。

本作は、岩戸鈴芽(CV:原菜乃華)が、閉じ師、宗像草太(CV:松村北斗)と知り合い、旅をする物語だが、鈴芽が芹澤と出会うことで、鈴芽が知らない、草太の閉じ師以外の顔を知ることになる。

神木隆之介に芹澤朋也(せりざわともや)役をお願いした際、神木隆之介は、新海誠監督の映画『君の名は。』で主演:立花瀧(たちばなたき)役を演じていたこともあり、引き受けて貰えるだろうと思っていたが、断られた。理由は、「君の名は。」で演じた”瀧のイメージを壊したくない”などというものだった。
新海誠監督が神木隆之介に直接電話をして説得を試みたところ。瀧と思われないような芝居にトライしたいという話になり、電話越しに数パターン演じて貰うなどしながら、低い声の芝居を芹澤の声に選んだ。

映画『君の名は。』では、宮水三葉(みやみずみつは)を救った立花瀧(たちばなたき)が、映画『すずめの戸締まりで』は芹澤朋也(せりざわともや)として背景に原発がある場所をみて「こんな綺麗な場所だったんだ」という台詞を言う点にも注目して欲しい。

 

音楽について
RADWIMPSとは気がついたらパートナーになっていた。洋二郎さんと「すずめの戸締まり」は、少女が母を巡る物語だから音楽も女性の声が欲しいという話になり、十明(とおか)さんを採用した。

戦闘シーンでは、低音は効果音、高音は声に押し込めるといったぐあいに、劇場としての音響体験を重視した。陣内一真(じんのうちかづま)さんに尽力していただいた。

 

質疑応答
Q.阪神大震災の年に生まれ、これまで震災と向き合ってこなかった。作中に「人間の力でないとダメなんだ」という台詞があるが、震災とどう向き合って行けば良いのか?
A.新海誠監督「3.11の時、自分自身が書き換わるような感覚を覚え」、「鈴芽は、『生きるか死ぬかは運なんだ』というような、いつ無くなるかもしれない、無常観のあるキャラクターにした」。
「鈴芽は、旅を通して最期には、もう1秒だけでも生きたい。死ぬのが怖いと思うようになる」そして「『鈴芽はちゃんと大きくなるんだ』『私はあなたの明日』という台詞に繋がっていく」

 →震災は鈴芽のように『生きるか死ぬかは運なんだ』と思うしかないような経験かもしれないが、1秒でも長く生きたいと思い、未来の自分と向き合うことで、明日の自分へと繋がっていく。

 

Q.深津絵里の大ファンだが、どのようにオファーをされたのか?
A.新海誠監督「2021年後期に放送されたNHK朝ドラ・連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、るい役を務められた深津さんの『あなたは大丈夫』という台詞が岩戸環(たまき)に繋がった。映画『すずめの戸締まり』の川村元気プロデューサーが、映画『寄生獣』(2014年)のプロデューサーも務めており、深津さんは田宮良子役で出演されていたことから、話を繋げていただいた」

 

Q.ダイジンのモデルはありますか?
新海誠監督「ダイジンの声は、山根あん(8)が務めた。声に編集などは加えていない」

新海誠監督「ダイジンのモデルは、脚本を書いた段階ではいない」
     「”スズメ”という名前の猫を飼っているが、飼猫の名前から主人公の名前を鈴芽(すずめ)にしたのではなく、保護猫をお迎えした際に、鈴芽(すずめ)の名前をつけた」
     「色々な感情で鈴芽(すずめ)の名前を呼ぶ実感を得ながら、生活ができた」

     「鈴芽(すずめ)がダイジンを抱き上げ、ダイジンが足をバタバタさせるシーンがあるが、飼い猫の”スズメ”を抱きかかえて撮影し、その様子をビデオコンテにした」

 

 

Q.震災から11年が経ち、震災の記憶が薄れて行っている・・・・・・。
A.新海誠監督「多くの人に見ていただくことを想定した作品で震災を描くことができるかが課題だったが、皆さまに真っ直ぐ受け取って貰えるんじゃないかと信じて制作した」

 

・最期に
新海誠監督「映画『すずめの戸締まり』は、制作者から観客の皆様まで、大勢の人によって制作された作品です」

 

 

公式サイトなど

https://info.toho.co.jp/suzumenotojimari_tiba/top.html

 

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