アラスカ写真家、星野道夫の人となりを描いたドキュメンタリータッチの舞台。東京公演2019「悠久の自然 アラスカ」が、2019年10月19日(土)第一部、お昼1時30分(開場1時30分)から、第二部、夕方5時(開場4時30分)から、座・高円寺2にて公演。第一部には、星野道夫(享年44歳[1952年-1996年])の妻、星野直子さんがトークゲストとして出演。

 

本作は、2016年に舞台化されて以降、東京、スイス・ジュネーブ、札幌などで、毎年、公演が行われている。非常に人気のある舞台だ。

舞台に設置された巨大なスクリーンに、写真家、星野道夫が撮影した写真を映し出しつつ、俳優・ナレーターの磯部弘が、星野道夫が綴った言葉などを朗読し、作曲家の中島まさるが音楽をつけ演出する。

星野道夫の写真やエッセイなどを用いて、その半生がドキュメンタリータッチで描かれる。
星野道夫の生き方、考え方などを追体験させられる舞台だ。

 

写真家、星野道夫とは

写真家の星野道夫は、自然写真家、特にアラスカの写真家として知られている。

19歳の時に古本屋で見つけたアラスカの写真集に魅せられ、アラスカ・シュマレフ村の村長に英語で手紙を書き、村長夫妻から返事が戻ってくると、単身アラスカに向かい、村長宅にホームステイ。シュマレフ村の住人らの漁に帯同するなど、生活を共にしながら写真を撮影した。

同公演に、トークゲストとして出演した星野道夫の妻(星野直子さん)は、当時の手紙について、現存しており、没後、ホームステイ先となった村長夫婦から返却を申し出られ、譲り受けたという。

星野道夫の妻(星野直子さん)は、シュマレフ村の村長夫婦から手紙の返却を申し出られた際、一度は「村長夫婦が持っているべきもの」とし、手紙の返却を固辞したが、再び、同村長宅を訪れた際に、同夫妻から「年を取って来たから」などとして返却を申し出られ為、手紙の原本を受け取り、コピーを村長夫婦に返却したと語った。

 

エッセイスト、星野道夫とは

写真家、星野道夫の撮影スタイルは、その土地で生活をしながら撮影するという独特なものだ。

アラスカの撮影をする際にも、「約1カ月から2カ月、たったひとりでアラスカの原野に入り、撮影を続け」たのだという。
写真家が自ら自然を体験しながら撮影する写真であるからこそ、我々は、写真に魂を感じ、心を動かされるのかもしれない。

また、星野道夫は文章も綴っている。
星野道夫は、アラスカという自然豊かな極寒の地で生活をしながら、見たこと、聞いたこと、感じたことを、文章で記録し続けた。
星野道夫は、写真家であると同時に、エッセイストでもあるのだ。

星野道夫が綴った言葉には、文明を当たり前のように享受する現代社会で暮らす我々が忘れてしまった、”「人として大切ななにか」を思い出させてくれる”。力強さがある。

 

星野道夫の言葉

「人は生きているかぎり、夢に向かて進んでいく。夢は完成することはない」
「大切なことは、出発することだった」

星野道夫が綴った言葉だ。

くじけそうな時、現実と折り合いをつけて、言い訳をしそうな時。
それでも前を向いて、一歩ずつ精進していかねばならないと思われてくれる。
力強い言葉だ。

我々の心に、写真、言葉、音楽を響かせる舞台である。

 

今後も、本公演は継続されていくとのこと。
公演予定などは、公式サイトの発表などで、ご確認ください。

 

公式サイトなど

舞台「悠久の自然 アラスカ」
http://www.airplanelabel.com/alaska2/

 

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