科学アドベンチャーライブ2018 -SINGULARITY-が開催されることを記念し、2018年4月30日(月・祝日:振替休日)、”科学ADVライブ開催記念 特別ワークショップ「ANONYMOUS;CODE」でひもとく2037年のナカノ”と題し、中野サンプラザ8Fの会議室にてワークショップが開催された。

 

本ワークショップは、第一部シナリオ編(10時30分から)、第二部デザイン編(14時30分から)の二部構成となっており、第一部シナリオ編には講師として、科学ADV総合プロデューサーの松原達也。「科学アドベンチャー」シリーズのほか、テレビアニメ「プラスティック・メモリーズ」の原作・脚本、テレビアニメ「ダーリン・イン・ザ・フランキス」のシリーズ構成・脚本などでも知られる、シナリオライターの林直孝が登壇。

 

第二部デザイン編では、科学ADV総合プロデューサーの松原達也、デザイナーの北原史尋が講師を務めた。

 

 

科学ADVライブ開催記念 特別ワークショップ 【シナリオ編】 まとめ

最新ゲーム「ANONYMOUS;CODE」( 発売日:COMING SOON )では、2037年のナカノを舞台に、ハッカー同士の戦いが描かれる。
他の科学ADVゲームとの違いは、メインキャラ以外も特殊能力を持っている所だ。

 

 

キャラクターの作り方

まずは、キャラクターの作り方。
今回講義で題材として用いられた、「ANONYMOUS;CODE」の主人公は、高岡 歩論(たかおか ぽろん)。

高岡 歩論は、他のハッカーとは異なり、ハッカーとしての能力は低く二流、三流。
いわば、ゲームを遊ぶお客さんと同じ目線のキャラクターである。
そんな、高岡 歩論が、”セーブ&ロード”という、セーブポイントからやり直しができる特殊能力を手に入れ、ハッカー同士の戦いで、どのハッカーに相乗りし、いかにして伸し上がっていくかが描かれる。

この主人公をみて「主人公、ムカツクゥ」などと、ゲームをプレイする人に感情移入して貰えるようなキャラになるように考えた。
また、ゲームのプレイヤーが、物語の最初からテンポよく入っていけるよう制作した。

 

2037年のナカノとは? 技術の進歩をどのように科学ADVの設定として落とし込むのか?

今の現代にない高度なセキュリティを設定としてどう落とし込むか。
科学技術は日進月歩であり、どんどん進化していく為、物語を制作する上で苦心しているポイントである。

現代は監視社会であり、日本中に約300万台もの監視カメラが設置されている。
では、2037年の防犯意識とはどのようなものになっているだろうか。

量子コンピュータが一般的になる時代が到来すれば、現在用いられている暗号化技術など、セキュリティ技術は容易に破られているだろう。
では、そういう時代に、どのような対策をしているだろうか。

本作では、こういった”現代の技術を超えた新たな技術が到来した時代に、どのようにな世界になっているのか?”という課題に、
専門書籍や警視庁サイバー犯罪対策課などから智見を得つつ、盛り込んで行った。

最近のニュースなどでも、写真の高解像度化にともない、手から指紋、目から網膜パターンなど、生体データが盗まれる危険性について警鐘が鳴らされている。

スナップ写真の制服から学校を、写真の背景から撮影場所をなど、個人情報を集める人たちもいる。
現在ではアナログで行われている事も、今後はAIが自動的に個人情報を収集する時代が来るのではないだろうか。

 

志倉千代丸(MAGES.代表取締役会長)の勧めで、たくさんの書籍を読んでいるが、『ムー』や『ニュートン』などの雑誌を毎月読むなど、
オカルト方面の要素も網羅して創作することで、ゲームプレイヤーの知的好奇心を満たすことができる創作物となるだろう。

博識であり勉強家でもある、志倉千代丸会長の膨大な知識量に、いかについて行くかが「科学アドベンチャー」シリーズの作り方だ!

 

※本稿は講義時に採録したメモを補筆しつつ、その概略をまとめたものです。それゆえ内容等は正確ではありません。

 

公式サイトなど

http://chiyomaru-studio.com/

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