ドイツで開催されている「Gamescom2017」にて、2017年8月24日(木)よる9時30分(日本時間)から、The Unending Journey: Storytelling in FFXIVと題し、ファイナルファンタジーXIV(FF14)のQ&A形式でストーリーについて語られた。

 

出演は、吉田直樹P/D、メインシナリオライター石川夏子、MCは Gregor Kartsios(Rocket Beans TV)。

 

主な質疑の内容は以下の通り。

 

主なQ&A

Q ストームブラッド(SB)、ロンチ後の心境について
A 
 吉田
  非常に高い評価を頂いたことは、びっくりしているとともに嬉しいです。
 石川
  パッチ4.1の作業が大詰めになっているので元気をもらって帰りたりです。

Q ファイナルファンタジーシリーズ30周年だが、印象に残っているFFシリーズは?

A
 石川
  FF6が初めてのFFで、とても嵌っていたのを覚えています。
 吉田
  ファミコンのFF1が初めてだった。橋を出た後にタイトルが出る映画的演出が印象的だった。
  後々のFFが映画的な演出を取り入れていくようになる方向性を予言していたと思う。

Q FF14以外でお気に入りのFF作品は?
A
 吉田
   FF3が印象的だった。FF3でFFは一旦完成形となったと思う。
   ストーリー、ゲームシステム、セーブのできないラストダンジョン含め、後々のFF形を決めたと思う。
   また、FF7はMMORPGぐらいのボリューム量があるなど、パワーを感じた。
 石川
   FF6が印象的だった。FF6が出てから23年たつが、FF14SBでドマ奪還に携われたのが印象的だった。

Q メインシナリを書いていく中で印象に残ったシーン。過去の作品で印象的なものはありますか?
A
 石川
   FF8でサイファーが感情的になって飛んで行きフッっと笑うシーンがあるが、
   言葉の先にあるシーンを作るのが職人技だと思った。

Q FF14に色々な過去のFFのものが含まれているが、吉田のお気に入りは?
A 
 吉田
   クリスタルタワーシリーズのアライアンスレイド。
   新生時に最初に決まっていたが、スタッフは誰も「なぜクリスタルタワー?」というような疑問を持つこともなく、みんなの中にFFのテーマパークを作るぞという意識できていった。

Q FF30周年ですが、どのような30周年を考えていますが?
A 
 吉田
   今年、SBをリリースしました。SBが僕らの30周年記念作品は思っています。

Q 蛮神戦はどのようなアプローチで作られていますか?
A
 吉田
   できるだけ皆さんが知っているようなものから選ぶこと、デザインとしてバトルが面白くなるかが重要だと考えている。
   ただ、そろそろ使い切ってきた感じもある。

Q 全く新規の蛮神を考えるときのアプローチは?
A
 吉田
   デザイン面のカッコよさ、バトルがどうなるか、そして、シナリオ面で憑依型にするのか、もともと土地にいた神様にするのかを決める。そして、例えばラーバナであれば昆虫といった、モチーフを作るような流れになる。

Q FF14の中で、東洋のテーマが再現されている事について?
A 
 石川
   ドマ城は元々は洋風だったが、織田と相談する中で、ドマ城は川の傍にあるべきだろうというイメージを共有し、川と水が切り離せない要素として入り、現在の形となった。

Q ストーリが思ったよりも奥深かったという反応は聞かれますか? 
A
 吉田
   プロデューサーとして他のFFシリーズに負けないようなリッチなストーリを入れているから遊んで欲しいと言ってきた方なので特に聞いたことはありません。
 石川
   まずはコンテンツありきで、コンテンツを気持ちよくプレイしていただこうと思ってシナリオをつけているので、シナリオが良かったと聞くと思ってなくてビックリしています。

Q 「MMOだからストーリーは必要ないんじゃない?」という反応についてどのように感じますか?
A
 石川
   わかります。バハムートに行った時になぜここでカットシーン?などと思うこともあります。
   シナリオライターとして、しっかりと読んでもらう所と、お話は届けるがあまり読まなくても分かるようにする部分を分けて作るようにしています。

Q ARRに入る直前、旧FF14が崩壊したストーリーになっていますが、ストーリーがなかったらどうなっていたと思いますか?

A
 吉田
   僕が考えた話なので、無かったとしたら、僕のやる気がでなかったのではないでしょうか。
   当時、スタッフが暗かったが、メテオが落ちてきて中からバハムートが飛び出してくるという話をしたところ、FFポイと士気が上がった。だから、ストーリーが無かった事は想像できません。

Q ストーリー面で最も印象に残ったシーン、プレイヤーにとって重要なシーンは?
A
 石川
   ライターとしては華やかなシーンも、ドラマチックなシーンも、そこまでの地味なシーンの積み重ねも全部大事だと思っています。
   ですので、ぜひ皆さんの良かったシーンの感想などをタグなどを付けて投稿していたげるとありがたいです。

 吉田
   パッチ2.55 希望の灯Part2の最後に、アルフィノが、「もう駄目だ」と話し、オルシュファンが飲み物を持ってきたシーンが印象的だった。
   オリジナルは、メテオで壊れ、2.0までの限られた時間でなんとか最低限の形にすることが求められてきた。
   パッチ2.55ではそれすら壊してしまい、そこからが自分たちがやりたいことをやれる「よーし、やったるぞ!」という気持ちになったシーンだった。

Q サイドクエストなどは飛ばしていく人がいるかもしれませんが。どうやって、工夫していますか?
A 
 石川
   読み飛ばしてもいいものは読んだとしても大した量にするなど、ボリュームをコントロールしています。
   また、全部のシナリオを長くすると翻訳のコストが大変になることもありますので、長くなりすぎないように調整しています。

Q アジムステップやドマの担当をされたそうですが、苦労した部分はどこですか?
A 
 石川
   苦労した部分ばかりで……メインシナリオを書くプレッシャーも感じていましたが、私も心を旅させながら楽しく書きました。

Q FF14の中でお気に入りのキャラクターとその理由は?
A
 吉田
   最近、ロロイトが良い奴だと思うようになった。ナナモが見る甘い夢もお金が必要で、ロロリトはお金があれば何でもできるという信念がハッキリしてていいと思うようになった。
   あと、サドゥは素晴らしい!
石川
  アマルジャ族とグナース族など蛮族が好きなので、蛮族クエストは書かないで、ファンとして楽しむようにしている。

Q オメガはFF5の要素が入っていますが、どのようなアプローチをとられたのですか?
A
 石川
   ”空から来た心のない機械”という短いフレーバーテキストがあったが、このテキストは、これからも残っていくと思います。

Q ディレクターとして大勢の開発スタッフをブレせない工夫はありますか?
A 
 吉田 
   企画書・仕様書・データ構造体・確立などひとつひとつポリシーを持って全部チェックしジャッジすることです。チームの大きさは関係なく、仕事の量が変わるだけだと思う。
   チェックをするというのは話をするということであり、理由をはっきり伝えることにしている。
   そうすることで、スタッフは、吉田がこう判断するからと分かって作ってくるうこともあれば、スタッフなりの理由をあげて、これをやらして欲しいと持ってくることもある。
   スタッフと話をすることが大切だと思う。

Q プレイヤーからのFBで驚かされたものがありますか?
A
 吉田
   ゴールドソーサーの報酬に女性専用装備としてバニースーツがあるが、北米のユーザから「バニースーツを男性が切れるようになるはいつになりますか?」と聞かれ。男性が着れて当然の質問に驚いた。
   同様の質問は、ヨーローッパでも韓国でも中国でも聞かれた。
   「そんなに着たいですか? バニースーツ?」
   これが、僕の中で一番不思議なFBです。一応作ってますけどねッ!

Q エオルゼアの住人になるとすれば、どんな種族、ジョブにしますか?
A
 吉田
   ララフェルのかわいい男の子になり、ギャザラーになってシャードを掘り続ける。そして、多くの女性に可愛がってもらいつつ、いずれはロロリトを目指す。

石川
 チェックでミコッテの女の子を使うが、メチャクチャ可愛いので、一度なってみたいと思います。

Q ドイツのゲーマーについての印象を教えてください。
A
 吉田
   gamescomに6年連続できているが、パワフルだと感じています。それは北米のパワフルさとはまた違ったパワフルさだと思います。
   いい意味でフレンドリーで、まるで家族のように盛り上がれるなど、ドイツの皆さんは情熱的に遊んでくださるので嬉しいです。

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