2019年10月23日(水)よる8時30分より、EJアニメシアター新宿にて、映画『この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』のキャスト・スタッフによる生コメンタリー上映が実施された。

登壇者は、福島 潤(佐藤和真役)、上江洲誠(脚本)、小倉理絵(プロデューサー / KADOKAWA )。

本イベントは、登壇者らが舞台のスクリーン右隅に陣取り、上映に合わせ、約90分にわたりコメントをし続けていくというもの。

撮影や録音などは禁止となっており、内容によっては「この話はSNSなどに書かないで下さい」と話される部分もあった。

 

本稿の概要

そこで本稿では、”「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」ダイジェストPV” などを見ながら、記憶に残っている話を、書ける範囲で紹介していく。

なお、記事の内容にネタバレも含まれますので、ご注意ください。

 

 「映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」ダイジェストPV
 https://www.youtube.com/watch?v=yvRuiXsfLHg

 

生コメンタリー上映で話されていたこと

物語について
・本作の脚本は原稿用紙400枚分、TVアニメ5話分程度あった。 (※上映時間は90分)

・ちゃぶ台のシーンやめぐみんの布団の周りをまわるシーンだけで、1時間ぐらいできる。
 ああいったシーンを書くのが好きだ。

・金崎貴臣監督がうまくテンポよく話が進むよう制作している。

・映画の冒頭で触れられている、マグロクエストのシーンなども作っていたが、本編ではカットされた。

・このすばの物語の作り方として、必ずアクセルの街に戻るようにしている。

・カズマ、めぐみん、アクア、ダクネスがテーブルを囲み、しゃばしゃばのご飯を黙って食べているのが凄い。

・アクアの「ぜいたく覚えたんだから……」というセリフなどに、本音を語れるキャラクターとしての魅力がある。

・本作のオチにたどり着くまで、脚本に約1カ月かけた。

・シルビアのキャラクターを掘り下げて行って辿り着いた。

・スタッフから、カズマの「しょうがねーな」というセリフまで持って行って欲しいという要望がある。

・映画版と言う事で、これまでの魔王軍の幹部も出しての総力戦にしたいという要望もあった。

・カズマが、虹色の残像を残しながら、めぐみんの布団の周りをグルグル歩くシーンは、絵コンテの段階から残像を残しながら歩くような演出で作られていた。

・めぐみんが通っていた学校を登場させ、制服を着せたかった。

・めぐみんが通っていた学校は、「レッドプリズン」というが、「監獄?」という話もあったが、「レッドプリズン」になった。

・あるえ(cv:名塚佳織)、ふにふら(cv:富田美憂)、どどんこ(cv:鈴代紗弓)らとの絡みは、ゆんゆん(cv:豊崎愛生)の手紙(テレビアニメシリーズ)を踏襲している。

・「上上下下左右左右、ほほーい、ほい、ほい」というのは、「グラディウス」(コナミのゲーム)のパロディだが、コントローラーの形状なども含め、商標に気を付けて制作した。

・バニルの仮面をつけてダクネスが戦うシーンでは、脚本では討論するようなシーンもあったが、本編ではカットされている。

 

作画について
・めぐみんの家の風呂はリテイクしていた。家のボロさに合わせてボロくなるよう作り直した。

・壁や障子の穴を塞ぐ絵まで拘って作っている。

・コブリンなどの表情や動きにコストがかかっており、アニメーターも楽しく力を入れて作画しているのが分かる。

・最後、爆裂魔法の威力は宇宙規模にまで上昇するが、煙まで拘って作られている。

・終盤、ゆんゆんと手を繋ぎながらめぐみんがエクスプロージョンを放つシーンは、エクスプロージョンを放つところまで、アクアのゴッドブローのシーンと同じ人が制作している。

・魔法を無効化するバリアや、シルビアがスライム化して変身するシーンなど、脚本に書いた以上の演出が付けられていると嬉しい。

 

キャストについて
・ダクネス役の茅野愛衣は感受性が非常に強く、最初の羊やカエルを見た段階で涙を流していた。

・アクアがゴブリンを煽るシーンは、CMなどでアクア役の雨宮天に生でやってもらいたい。
 めぐみん役の高橋李依は床に寝ているだけになるのかも(笑)

・カズマ役の福島潤は、TVシリーズ1話を収録した翌日、金崎貴臣監督に「コーヒーを飲もう」とスタジオに呼ばれた。
 降板させられるのではないかとメチャクチャ怖かったが。金崎貴臣監督は、単に福島潤と話をしたいだけだった。

・テレポ後にカズマに襲い掛かるオーク牝(スワティナーゼ 16歳)役は、何の疑問も無く演じ切っていた。

・映画で初登場となる、めぐみんの父、ひょいざぶろー(cv:高橋広樹)、母、ゆいゆい(cv:能登麻美子)は、「このすば」をずっと視てこられたかのようなリズムで演じていた。

・カズマが、めぐみんの布団の中に入り、ちょうどいいタイミングで、めぐみんが目を覚ます時。
 カズマが良い声で「おはようございます」というが、台本にイケボと書かれていた。
 ただ、どこまでイケボを続けるかは、カズマ役の福島潤に任されていた。

・シルビアの声は、金崎貴臣監督の中で最初から渡辺明乃だった。

・劇団方式をとっており、メインの役以外の役もやっている。例えば、女性キャスト陣がオーク牝らの声もやっている。

・カズマがめぐみんと一緒の布団の中で、「うっひょー」というシーンがある。1日目にとったシーンだが、そこまでの収録で高い声が出なくなっていた為、「うっひょー↑」ではなく、「うっひょー↓」になっている。

 

全般的な話 / 今後の話
・毎回、今回が最後のつもりで全力で製作している。

・小倉理絵プロデューサーが首を縦に振れば、続編が作られる可能性も?

・EJシアター新宿などでの上映は2019年10月24日(木)までだが、他の地域の映画館ではまだまだ続いていく。

・幕張の映画館では音に拘った上映も企画されている。

  ※2019年10月25日(金)からイオンシネマ 幕張新都心にて
   ”岩浪音響監督による【ULTIRA 爆裂魔音はロマンなんです!9.1ch は120点!】調整にて上映! ”
   https://www.aeoncinema.com/cinema/makuhari/

・岩浪美和 音響監督が全国の映画館の音を調整して回っている。

・イベントでは男性が多いが、今回の生コメンタリー上映では女性客の姿もみられた。

・TVシリーズ終了後に行ったような、ロフトプラスワンなどでのシュワシュワを飲みながらのイベントもやってみたい。

・今回の生コメンタリー上映は、企画から実施まで、非常に短い期間だったにもかかわらず、約300人が集まった。

 

※ 記事中の文言は、イベント終了後に記憶などをもとに、要約・補筆したものであり、発言を正確に抜粋したものではありません。

 

公式サイトなど

http://konosuba.com/

 

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